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汚染 土壌 浄化の示した条件

終戦が突知としてやってきたため、平和産業への秩序立った移行は不可能になり、書類事務に散在するGM工場の再建という膨大な仕事に直面した。 軍需品在庫を一掃するのに九OOO台分の貨車が必要であり、政府所有の機械設備を処分するのに、さらに八OOO台分の貨車が必要だった。
他方では、われわれは、民需生産のため、工場設備の再建に突入していた。 全体としてみた場合、雑然としていたが混乱は生じなかった。
すでに立てられていた計画と軍の協力により、工場の設備や再転換の期間はきわめて短縮され、日本降伏から数えて四五日目には、GM最初の自動車が生産され、出荷された」(『GMとともに』)終戦後の軍需から民需への転換がもっともスムーズにできたのは、スロ-ンが率いるGMだったが、それでも、生産規模が大きいだけに、体制を整えるまでにはいささかの時間を要した。 膨張する需要に供給が追いつかず、部品不足は一九五四年ぐらいまで続いた。
「キャデラック」の部品不足にいたっては、さらに三年ほど続いた。 まさにアメリカの自動車は売り手市場で、動きさえすればどんな車でも売れたといわれる。
アメリカにおける一九四六年の乗用車生産は三百二十五万台と、一九二九年以来、最高の数字を記録したちなみに、一九四五年はわずか七百台だった一九四九年には五百万台を突破、トラックなどを含めると六百万台に達した。 翌五O年には八百万台にもおよんでいる。

自家用車の登録台数では、終戦の年は二千五百五十万台だったが、十年後には二倍を記録。 後の十年間では、さらに二千万台が増えている。
一九六O年の時点で、アメリカの総世帯数の五分の四が自動車を保有していたことになる。 戦前、GMやフォードはヨーロッパや日本に進出して、一時は世界の市場を制覇する勢いだった戦後は圏内需要をまかなうだけで手いっぱいの状態が十年以上も続いた。
この間、パッカード、ナッシュ、スチュア-ドベーカー、ハドソン、ヴィリズなどの独立メーカーは、規模が小さいだけに立ち上がりも早く、生産量を増やし、一九四九年時点で全体量の五Oパーセントを占めるまでに成長した巨体のかビッグ30は、立ち上がりこそゆったりとしたものだったが、ひとたび体制を整えて走りだすと、量産効果による利益率の差から圧倒的な強さを発揮した。 たちまちにして中量、少量生産の独立メーカーの経営は悪化、倒産かビッグ3dに吸収されることになった。
こうしで、業界の寡占化が一挙に進んだ。 かビッグ38はさらに自信を深め、おごりの姿勢が、価格設定や生産する車にも端的にあらわれるようになった一九八0年代後半から九0年代初頭にかけてのバブル期の日本の自動車メやした。
それにともなって、彼らが生産する車は豪華になり、でもかといわんばかりに、さまざまな付属装置や備品が加えられた。 大型志向を強め、当然、価格も上昇した。
五0年代のアメリカ車は、バブル期に見られた日本車の賛沢路線を何倍も上まわっていた。 いまのアメリカ人がさかんに懐かしんでいるところの、汐黄金の五0年代。
の現出である。 平和な時代の到来によって、米政府は軍備支出のためにあとまわしになっていた圏内の高速道路網や国立公園の整備に大々的に乗りだした。
それまで道路の整備が十分でなかったため、広大な国土を縦横に移動することはむずかしかった。 鉄道に依存する割合も高かった。
それが、高速道路網の整備によって可能になった。 自動車メーカーはさかんに遠距離ドライブの楽しさを宣伝した。

都市に住む人々は、田舎の風景やロッキー山脈やグランドキャニオンなどの大・自然に憧れていた。 一方、農村で孤立した生活をしていた農民たちは、都会に憧れていた。
こうした国民の欲求が、マイカーの購買意欲に拍車をかけた。 平和な時代となって、個人の信用も増し、月賦販売が主流となったことで、さらにマイカーの普及を促進した。
して、自動車は単なる輸送手段の道具としての域を超え、生活の豊かさや楽しみも黄金の5日年代のアメリカ車を代表する「GMRキャデラック」。 当時のパンフレットの提供する必需品となっていく。
それにつれて、社会的にも、人々の意識の中でも、自動車が大きな位置を占めるようになる。 やがて、自動車が持ち主のプレステージをあらわすものとして意識されるようになり、できるだけ豪華な車をもちたいと望むようになる。
アメリカの五0年代は、諸条件が合致して、そうした傾向が極端に表出した時期だった。 低価格帯の車でも、いたるところにげばしいクロム・メッキのモ-ルで縁どりがされた。
派手な塗装がほどこされ、ボディもツ-トンで飾られるのが主流となった。 エンジンの馬力は必要以上にアップされ、毒々しい排気ガスとけたたましい騒音を街角にまき散らすようになった。
パワーブレーキ、自動変速機、ラジオ、クーラーなどもオプションとして追加され、走るジュークボックス。 と部撤されたりもした。
形状も流線型が主流となったレシプロ機からジェット機へ移行して飛躍的に速力を増し、技術進歩の代名調ともなっていた飛行機の形状からヒントを得たものだった。 流線型のボディの後部両サイドに、性能的にはまったく意味のない翼のような尾ひれがつけられた。
この尾ひれは、年を追うごとに大きくなり、上にはね上がるようになった。 うしろには目立つテールランプ群がずらりと並ぶようになった。

低価格帯の車が大型化すれば、中級、高級車はさらに豪華に、大型化しなければ差別化が図れない。 かくして、「ガソリンをガブノミする怪獣」とまで言われるようになった。
いまからみれば、いかにも郡部に思われるありさま、この時代にはそれがアメリカ人のステータス・シンボルとなっていたのである。 五0年代にエスカレートした金ぴかの成金趣味には、このリーダーシップをとったスロ-ンでさえ目をそむけるほどだったが、この路線を先頭に立ってリードしていたのは、やはりGMだった。
一九二0年代、GMのスロ-ンは、「あらゆる所得階層とあらゆる目的のための乗用車(どんな財布にも、どんな目的にもかなった車ことする、価格帯を段階的に分けて、それに応じた車をそろえるフルライン方式を経営戦略の基本にすえた。 買い替えのたびに上級車へとユーザーを誘導していくマーケティング手法によって売り上げを飛躍的に伸ばし、それまで独走していたフォードの追い落としに成功した。
それに対し、一九二0年代半ばまでのフォードは、なぜかT型フォードに固執した。 たしかにT型フォードは合計一千五百万七千三十三台も売りさばいた世界初のワールド・ヵーである。
せっかくつくり上げた大規模な量産ラインを変えたくないという事情もあった理由はそれだけではなく、創設者へンリ-・フォード自身の生い立ちゃ車づくりに対する夢や信念があった。 アメリカの開拓農民や牧場主にとって、頑丈なT型フォードは、未舗装の凸道を走るのに最適だった。
デトロイト近郊の農村ディアボ-ンに生まれたヘンリ-・フォードは、機械いじりの好きな少年だった。 農村には、馬車以外に文明の香りを放つものはなにもなく、大地と格闘する質素な暮らしだった。
農業に見切りをつけてデトロイトに出たフォードは、発明王ト-マス・エジソンが創設したエジソン電気会社の技師長をつとめながら、持ち前の好奇心から、自宅の馬車小屋でガソリン自動車を自作した。

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